左太夫伝 毎日新聞出版 2024/8/5 | 蝦夷地を調査し、万延元年遣米使節団としてアメリカに渡った仙台藩⼠・玉虫左太夫の⽣涯を描く歴史長編。明治政府とは違う民主国家を夢見、奥羽列藩同盟成立に奔走しながら悲劇的な死を遂げた人物の⽣涯を描く。「サンデー毎⽇」連載「北天の孤星」を加筆して書籍化。 | |
降るがいい 河出書房新社 2024/4/8 | 突然、再就職の採用を断られた男、余命数ヶ月で敢えて籍を入れた女、金を返してもらえぬ元上司……。都会の片隅でごく普通に暮らす男女が隠していた過去の小さな過ちは、突如ありふれた「日常」を切り裂いていく。何が本当で、何が嘘なのか? じわじわとせり上がる焦燥感に満ちた13篇の珠玉のサスペンス。都会の片隅で生きる人々の埋もれた「真実」が明かされるとき、過去の重みが忍び寄る......。 | |
警官の酒場 角川春樹事務所 2024/2/1 | 捜査の第一線から外され続けた佐伯宏一。だが能力の高さは重大事案の検挙実績では道警一だった。その佐伯は、度重なる警部昇進試験受験の説得に心が揺れていた。その頃、競走馬の育成牧場に強盗に入った四人は計画とは異なり、家人を撲殺してしまう。強盗殺人犯となった男たちは札幌方面に逃走を図る……。それぞれの願いや思惑がひとつに収束し、警官の酒場にある想いが満ちていく――。大ベストセラー道警シリーズ、第1シーズン完! | |
(新装版)笑う警官 角川春樹事務所 2024/2/1 | 札幌市内のアパートで、女性の変死体が発見された。遺体は北海道警察本部生活安全部の水村朝美巡査と判明。容疑者には交際相手で同じ本部に所属する津久井巡査部長が浮かぶ。やがて津久井に対する射殺命令までが出た。捜査から外された所轄署の佐伯警部補は、かつておとり捜査で組んだことのある津久井の潔白を証明するため有志たちと極秘裏に捜査を始めるが……。警察小説の金字塔、大ベストセラー「道警シリーズ」第1弾、新装版!(解説・西上心太) | |
(新装版)警察庁から来た男 角川春樹事務所 2024/2/1 | 北海道警察本部に警察庁から特別監察が入った。監察官は警察庁のキャリアである藤川警視正。藤川は、道警の裏金問題のために百条委員会で証言した津久井刑事に監察の協力を要請した。一方、札幌大通署の佐伯刑事はホテルの部屋荒らしの捜査を部下の新宮と進めていたが……。警察小説の金字塔、大ベストセラー「道警シリーズ」第2弾、新装版!(解説・細谷正充) | |
(新装版)警官の紋章 角川春樹事務所 2024/2/1 | 北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井刑事はその警官の追跡を命じられる。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれが互いの任務のため、式典会場に向かう……警察小説の金字塔、大ベストセラー「道警シリーズ」第3弾、新装版!(解説・細谷正充) | |
時を追う者 光文社 2023/5/24 | 1949年、終戦から4年が経った東京。陸軍中野学校出身でかつて破壊工作員だった藤堂直樹は、歴史学者の守屋淳一と物理学者の和久田元から過去に時間を遡る手段を発見したと聞かされる。さらに二人は直樹に思いがけない依頼をしてきた――「過去に戻って、戦争を始めた者たちを排除して欲しい」。目指すは満州事変の阻止。未来は、それで本当に変わるのか? 2人の男女を仲間にした直樹の、時を遡る決死行が始まる! | |
図書館の子 光文社文庫 2023/5/10 |
時の旅人たちを巡る六つの物語。時とたたかい、時に翻弄(ほんろう)され――時空を超えた彼らを待ち受ける数奇な運命とは!? 猛吹雪の夜、図書館に少年がひとり取り残された。暖房機が壊れ、極寒の館内。突然現れた謎の男は少年を救い、やがて大切なことを伝え始めた――。(表題作) /一九三一年の満洲。大連のダンスホールで働く千春は内地からの旅行者らしき青年に恋をする。彼には胸に秘めた危険な計画があるようなのだが……。(「傷心列車」) 時を旅する者たちの数奇な運命を描く全六編。 |
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樹林の罠 角川春樹事務所 2022/11/2 | ひとつの交通事故を契機に、警察官としての矜持、そして遊軍の刑事の意地が、隠された犯罪を炙り出していく------。コロナ禍に見舞われながらも懸命に生きる人々を鮮やかに描く、道警シリーズ第10作。 | |
闇の聖域 KADOKAWA 2022/11/2 | 満洲に渡った警察官は猟奇殺人を追い、運命に抗う画家は最後の恋に生きる。満州事変直前の大連を舞台にした、サスペンス×ロマンス長篇。 | |
北辰群盗録 光文社文庫 2022/10/12 | 戊辰戦争終結から五年。開拓が進む北海道各地で共和国騎兵隊を名乗る盗賊が跋扈し始める。頭領の兵頭俊作は榎本武楊の下、新政府軍と戦った士官。彼の戦いは終わっていなかったのだ。討伐隊に送り込まれたのは元幕臣の矢島従太郎だった。兵頭と矢島は五稜郭で理想郷「共和国」を夢見てともに戦った同志。敵として相対することになった二人を待つ壮絶な運命とは?『武揚伝』に連なる長編歴史活劇! | |
裂けた明日 新潮社 2022/8/18 | 定年後の嘱託も辞め,独り暮らしの元公務員の男。そこに幼い少女を連れた逃避行中の女性が現れた。テロと銃撃が頻発する近未来の日本で、避難民の母娘を安全圏に送り届ける――そう決断した男は,役所勤めの経験を生かし、意外なルートであらゆる危機を回避していく。内戦下の日本で命を賭ける決死行が始まる。 | |
雪に撃つ ハルキ文庫 2022/5/13 | さっぽろ雪まつり開幕前日に北海道警察本部大通署管内で起こった、自動車窃盗事件、少女の家出、そして発砲事件。無関係に見える事件が、一年で一番賑わう札幌でひとつに収束し激化していく。虐待、不正、外国人労働者──佐伯たち刑事らの執念は届くか? 警察小説の金字塔&大ベストセラー道警シリーズ、圧巻のタイムリミット・サスペンス! (解説・西上心太)。 | |
抵抗都市 集英社文庫 2022/1/20 | 日露戦争に「負けた」日本。終戦から11年たった大正5年。ロシア統治下の東京で、身元不明の変死体が発見された。警視庁刑事課の特務巡査・新堂は、西神田署の巡査部長・多和田と組んで捜査を開始する。だがその矢先、警視総監直属の高等警察と、ロシア統監府保安課の介入を受ける。そして、死体の背後に、国を揺るがす陰謀が潜んでいることを知る―。警察小説の旗手として不動の人気を誇る著者が「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」と語る、圧巻の歴史改変警察小説。『偽装同盟』の前作にあたる作品。 | |
偽装同盟 集英社 2021/12/15 | 日露戦争終結から12年たった大正6年。敗戦国の日本は外交権と軍事権を失い、ロシア軍の駐屯を許していた。3月、警視庁の新堂は連続強盗事件の容疑者を捕らえるが、身柄をロシアの日本統監府保安課に奪われてしまう。新たに女性殺害事件の捜査に投入された新堂だったが、ロシア首都での大規模な騒擾が伝えられ……。「もうひとつの大正」を描く、入魂の改変歴史警察小説、第二弾。。 | |
帝国の弔砲 文藝春秋 2021/2/25 | 日系移民2世の登志矢はロシア帝国軍に徴兵されて大戦に臨み、やがて革命の嵐に巻き込まれていく。その先に待ち構えていた運命とは? ロシア沿海州に開拓農民として入植した小條夫妻の次男・登志矢は、鉄道工科学校で学び、念願の鉄道技能士となった。だが世界大戦のさなか帝国軍に徴兵されて前線へ送られ、激戦を生き延びる。そして復員すると、帝国には革命の嵐が吹き荒れ、やがて登志矢もいやおうなしに飲み込まれていく……。圧倒的な迫力の改変歴史冒険小説。 | |
雪に撃つ 角川春樹事務所 2020/12/15 | 翌日からの雪まつりを楽しむため世界中から観光客が押し寄せ沸き立つ札幌。北海道警察本部大通署の佐伯宏一は部下の新宮とともに自動車窃盗現場に向かっていた。その頃署内では、生活安全課少年係の小島百合が釧路から家出した少女が札幌に向かっているという電話を受けた。一方、機動捜査隊の津久井卓は住宅街で起こった発砲事件の現場に向かっていた。これら複数の事件は、やがてもつれ合いながら、雪まつりを舞台に激化していく....。 | |
英龍伝 毎日新聞出版 (毎日文庫) 2020/10/10 | ペリーの開国要求に騒然となる幕府中枢。幕閣の議論もついに膠着した時、老中・阿部正弘が言った。「江川太郎左衛門を呼び出せ」。英龍ほどこの時を予見し、何をなすべきか飛えていた幕臣はいなかった。一刻の猶予もないなか、あらゆる責務を任された英龍の才気がほとばしる。地元伊豆と民を愛し、デモクラシーを夢見た異能の行政官の一代記。 | |
降るがいい 河出書房新社 2020/8/27 | 本番当日に失踪した舞台女優と数年ぶりに再会した脚本家の心に去来したもの(「不在の百合」)。かつての仕事仲間の訃報を私に告げた、意外な人物(「隠したこと」)。自堕落な生活を続ける後輩との会食で、私がとったある行動(「反復」)…。都会の片隅で生きる人々の埋もれた「真実」が明かされるとき、過去の重みが忍び寄る。佐々木譲が贈る渾身の人間ドラマ、全13篇。 | |
図書館の子 光文社 2020/7/17 | 1937年の東京。隅田川で拾われた男が病院に運ばれてくる。身元不明の男は記憶を失っていたが、なぜかこれからやってくる戦禍の時代を知っているかのようだった。「遭難者」。とある北の国。猛吹雪の夜、図書館に一人の少年が取り残された。暖房もない極寒の館内。そこに突然現れた謎の男は少年を救い、やがて大切なことを伝え始めた―。「図書館の子」。時とたたかい、時に翻弄される者たちを描く全六編。 | |
サーカスが燃えた 角川春樹事務所 2020/6/15 | 佐々木譲の初の童話作品。お父さんに連れられていったサーカスが火事となり、混乱の中で少女とお父さんは必死に逃げる……。イラストレーター中島梨絵さんの絵で、「紙」の絵本として刊行です。著者自身が小学生のころ現場に居合わせた、札幌のサーカス火災を題材にしています。 | |
抵抗都市 集英社 2019/12/13 | 日露戦争終結から十一年たった、大正五年。ロシア統治下の東京で、身元不明の変死体が発見された。警視庁刑事課の特務巡査・新堂は、西神田署の巡査部長・多和田と組んで捜査を開始する。だがその矢先、警視総監直属の高等警察と、ロシア統監府保安課の介入を受ける。そして、死体の背後に、国を揺るがす陰謀が潜んでいることを知る―。警察小説の旗手として不動の人気を誇る著者が「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」と語る、圧巻の歴史改変警察小説。 | |
沈黙法廷 新潮文庫 2019/10/27 | 独り暮らしの初老男性が絞殺死体で発見された。捜査線上に浮上したのは家事代行業の地味な女性。女の周辺では、複数の六十代男性の不審死が報じられ、疑惑は濃厚になっていく。女は、男たちから次々に金を引き出していたのか。見え隠れする「中川綾子」という名前の謎とは。逮捕後も一貫して無実を訴える彼女だが、なぜか突如、黙秘に転じた……。判決の先まで目が離せない法廷小説の傑作。 | |
真夏の雷管 ハルキ文庫 2019/7/13 | 夏休み。鉄道好きで“スーパーおおぞら”に憧れる僕は、ある日出会った男性に小樽の鉄道博物館へ連れて行ってもらえることに。最高の夏になると信じていたのに、こんな大ごとになるなんて―。生活安全課の小島百合は、老舗店で万引きした男子小学生を補導した。署に連れて行くも少年に逃げられてしまう。一方、刑事課の佐伯宏一は園芸店窃盗犯を追っていた。盗まれたのは爆薬の材料にもなる化学肥料の袋。二つの事件は交錯し、思わぬ方向へ動き出す。北海道警察シリーズ第八弾。 | |
CRP JAPAN TOKYO tiny view vol 2 PHOTO CAMP 2018/8/6 | 本来自分は、小さな生活圏で生きることが好きなタイプの人間だ。あるいは決まりきった秩序の中で生きることが苦にならない種類の人間と言えるだろうか。GPSで毎日の移動のルートと、動き回る範囲を調べるなら、たぶんわたしのそれは年間を通じてほとんど変わらない。生息域はごくごく狭いものと確認できるはずだ。仕事柄、遠くに旅行もするが、それだって頻度はわずかだ。 | |
砂の街路図 小学館文庫 2018/11/6 | なぜ父は幼い自分を捨てて失踪し、死んでしまったのか―。母の四十九日を終えた岩崎俊也は、両親が青春時代を過ごした北海道の運河町へと旅立つ。二十年前、父が溺死する直前まで飲んでいた酒場の店主によれば、同じ法科大学漕艇部員だった女性の密葬に参加するために滞在していたらしい。さらに、昭和四十四年に漕艇部で起きたある事件を機に、快活だった父の人柄が激変したことを知る。父は事件に関係していたのか?家族にさえ隠し続けていた苦悩と死の真相とは!? 会心の野心作にして、まったく新しい「家族ミステリー」が誕生!! | |
CRP Taiwan 台北の休日 2017 A Day off in Taipei PHOTO CAMP 2018/6/25 | 世の中には、何度訪問しても、自分はいまだにここでは旅行者にすぎない、としか思えない都市がある。どうしても自分が街のひだにまで入ったという感触を持てず、自然に呼吸しているという感覚がやってこない都市。ちょうど薄い樹脂の膜をへだてたようにしか、接することのできない街。わたしにとっては、世の中のいくつかの大都市がそちらの部類だ。 | |
警官の掟 新潮社 2018/3/28 | 東京湾岸で男の射殺体が発見された。蒲田署の刑事は事件を追い、捜査一課の同期刑事には内偵の密命が下る―所轄より先に犯人を挙げよ。捜査線上に浮上する女医の不審死、中学教師の溺死、不可解な警官の名前。刑事の嗅覚が事件の死角に潜む犯人を探り当てたとき、物語は圧巻の結末になだれこむ。徹底したリアリティと重厚緊密な構成で警察小説の第一人者が放つ傑作長編。 | |
CRP RUSSIA VLADIVOSTOK 2017年 極東の街 ウラジオストク Vol.2 PHOTO CAMP 2018/3/2 | 2017年10月のVladivostok旅行は、観光ではなく、写真撮影のための旅行でもなかった。将来書こうと構想している小説のための現地確認、下調べの旅行だった。 | |
CRP RUSSIA VLADIVOSTOK 2017年 極東の街 ウラジオストク Vol.1 PHOTO CAMP 2018/3/2 | わたしは純粋な観光旅行や、写真を撮ることが目的の旅行はほとんどしない。大部分が、将来書く小説のための取材旅行だ。 つまりそれは、舞台となる土地の姿かたちを、歴史的事件の現場を、確認するための旅行だ。作品の骨格を作り、細部を詰め、ときにはエピソードのいくつかを拾うための旅行、ということでもある。またそれは、その土地のひとびとの暮らしの様相を、土地の色を、匂いを、その季節の気候を、肌で知るための旅行にもなる。2017年10月のウラジオストック旅行も、それだった。 |
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屈折率 光文社文庫 2018/3/9 | やり手の元商社マン・安積啓二郎は、兄に代わり、経営が傾き始めた実家のガラス工場の社長になった。当初は工場を売り払うつもりだった啓二郎だが、ガラス工芸作家の透子との出会いから、次第にガラスの魅力に目覚めてゆく。難問山積の工場再建に向け、彼が放つ起死回生の一手とは?ものづくりの現場に再起をかけ、悪戦苦闘する男の姿を描く長編企業小説。 | |
英龍伝 毎日新聞出版 2018/1/12 | 開国か戦争か。いち早く「黒船来航」を予見、未曽有の国難に立ち向かった伊豆韮山代官・江川太郎左衛門英龍。誰よりも早く、誰よりも遠くまで時代を見据え、近代日本の礎となった希有の名代官の一代記。明治維新から150年。新たな幕末小説の誕生。 『武揚伝』『くろふね』に続く、幕臣三部作、堂々完結! | |
CRP JAPAN TOKYO tiny view vol 1 PHOTO CAMP 2017/12/4 | ある時期から、自分がカメラを向ける先にあるのは、ごくごく個人的な、あるいは私的の関心の対象ばかりとなってきました。 それは、他者にとってはほとんど意味はないものかもしれません。 けれど自分にとっては、大脳の奥の何かをかすかに共振させてくれたと感じさせる生活の断片であったり、時間であったり、ときに空気といったものです。 |
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真夏の雷管 角川春樹事務所 2017/7/13 | 真夏の札幌で、爆薬材料の窃盗事件。爆弾製造?誰が、何を爆破する?タイムリミット迫る命懸けの任務!チーム佐伯が警官の覚悟を見せる!大ベストセラー警察小説。 | |
沈黙法廷 新潮社 2016/11/22 | 絞殺死体で発見されたひとり暮らしの初老男性。捜査線上に家事代行業の女性が浮上した。彼女の周辺では他にも複数の男性の不審死が報じられ、ワイドショーは「またも婚活殺人か?」と騒ぐ。公判で無実を訴える彼女は、しかし証言台で突如、黙秘に転じた。彼女は何を守ろうとしたのか。警察小説の雄が挑む新機軸の長編ミステリー。 | |
代官山コールドケース 文春文庫 2015/12/4 | 17年前に代官山で起きた暴行殺人。容疑者の死で事件は解決したはずだった。だが今、川崎で起きた同様の殺人現場から同じDNAが見つかった。真犯人は別にいたのだ。特命捜査対策室の水戸部に密命が下る―警視庁の威信をかけ、神奈川県警より先に犯人を逮捕せよ。『地層捜査』シリーズ第二弾。2015年12月末ドラマ化作品。 | |
決定版 - 武揚伝(上) 中央公論新社 2015/11/21 | 海軍伝習所からオランダへ―観戦武官としてデンマークとプロシアの近代戦争に臨場した釜次郎は、欧米列強を動かす国際法という存在に驚愕する。幕末動乱の中で西洋近代文明に触れ、近代国家の有り様を世に問うた榎本武揚がオランダ留学を終えるまでを描く。全面改稿、決定版! | |
決定版 - 武揚伝(中) 中央公論新社 2015/11/21 | オランダ留学から戻り、幕府海軍に籍を置くことになった武揚を待っていたものは、徳川幕府の崩壊だった! 最新鋭艦「開陽丸」を操り帰国した武揚は、世界情勢に背を向け内紛を続ける日の本の有り様に絶望する。全面改稿、決定版! | |
決定版 - 武揚伝(下) 中央公論新社 2015/11/21 | 徳川軍の残党を再編し、蝦夷国に共和国を建国することを目指す武揚たち。しかし、海峡を突破し官軍が上陸。圧倒的な攻勢を前に土方は倒れ、武揚は........ 全面改稿、決定版! | |
回廊封鎖 集英社文庫 2015/10/20 | 連続する殺人事件には共通点があった。見せしめのような殺害方法、被害者は破綻した大手消費者金融「紅鶴」の元社員。それに気付いた刑事・久保田は事件を追い始める。紅鶴に人生を破壊された男たちの復讐劇の最後にして最大のターゲットは社長一族の元専務・紅林伸夫。決着の場所は、六本木の巨大ビルで行われる映画祭。その壮絶な結末とは......!?現代社会の闇に向き合った犯罪小説。(解説/小梛治宣さん) | |
犬の掟 新潮社 2015/9/18 | 緊迫の四十時間を描く王道の警察小説。東京湾岸で射殺体が発見された。蒲田署の刑事は事件を追い、捜査一課の同期刑事には内偵の密命が下される。所轄署より先に犯人を突き止めよ。比類なき疾走感で描ききる本格捜査小説。 | |
砂の街路図 小学館 2015/7/29 | 北海道の架空の町を舞台に、失踪した父の死の謎を追う物語。地名や建物などに象徴された謎のピースを解きながら、「父の過去」に迫っていく。親と子のあり方を見つめ直す、まったく新しい「家族ミステリー」。 | |
地層捜査 文藝春秋(文庫) 2014/7/10 | 無能なキャリアに歯向かって謹慎となった若き刑事・水戸部は迷宮入り事件を担当する「特命捜査対策室」に配属された。15年前の四谷荒木町の殺しを再捜査せよ。専従捜査員は水戸部ただ一人。退職刑事を相棒に、水戸部は町の底に埋もれた秘密と嘘に肉薄してゆく。静かな余韻を響かせる警察小説シリーズ第一作。 | |
人質 角川春樹事務所(文庫) 2014/5/13 | 生活安全課所属の小島百合巡査部長は、人質立てこもり事件に遭遇する。犯人は強姦殺人の冤罪で4年間服役していた男。一方、同日朝に起きた自動車窃盗事件を追っていた佐伯宏一警部補は、事件現場へ向かったのだが・・・。 | |
憂いなき街 角川春樹事務所 2014/04 | 大ベストセラー北海道警察シリーズ第7弾!!機動捜査隊・津久井卓とジャズ・ピアニストとの恋。札幌を舞台に描く、スリリングで切ないハードボイルド警察小説。 | |
警官の条件 新潮文庫 2014/01 | 『警官の血』の裏切りから9年。警部に昇任し、組織犯罪対策部第一課の係長に抜擢された、安城和也。彼は自らのチームを指揮し、覚醒剤の新たな流通ルートを解明しようと奮闘していたが、過程で重大な失策を犯してしまう。重苦しいムードに包まれる警視庁に、あの男が帰ってきた。かつて、“悪徳警官”として石もて追われたはずの、加賀谷仁が! 警察小説の頂点に燦然と輝く『警官の血』―白熱と慟哭の、第二章。 | |
獅子の城塞 新潮社 2013/10 | 天下一の築城師となれ。信長の密命を受け一人の男が戦火の欧州を駆け抜けた! 天正遣欧使節団とともに遥かリスボンの港に降り立った若き天才・戸波次郎左。貪欲に西洋の技を身につけ、たちまち名を上げていくが……。 | |
婢伝五稜郭 朝日文庫 2013/10 | 明治二年五月、箱館戦争が榎本武揚率いる旧幕府軍の敗北で幕を閉じようとしていた中、旧幕府軍の聡明な看護婦・朝倉志乃は、官軍に恋人の医師・井上青雲を殺される。戦い続けることを誓い、青雲を殺めた男の復讐を決行する志乃。 | |
代官山コールドケース 文藝春秋 2013/08 | 川崎で起きた殺人事件の現場に遺されたDNAが指し示すのは、十八年前に代官山で起きたカフェ店員殺人事件の“冤罪”の可能性……。公訴時効撤廃を受け、再捜査の対象となった難事件に、特命捜査対策室のエース・水戸部をはじめとした刑事たちが挑んでいく警察小説新シリーズの第二弾。 | |
密売人 角川春樹事務所 2013/05 | 晩秋の北海道で同時期に三つの死体が発見され、津久井卓巡査は小樽の事件を追う。小島百合巡査は女子児童が連れ去られた一件に、不穏な胸騒ぎを感じていた。三か所で起こった殺人と小島の話から、次に自分のエス(協力者)が狙われると直感した佐伯宏一警部補は、一人裏捜査を始めるが・・・。 | |
人質 角川春樹事務所 2012/12/17 | 生活安全課所属の小島百合巡査部長は、人質立てこもり事件に遭遇する。犯人は強姦殺人の冤罪で4年間服役していた男。一方、同日朝に起きた自動車窃盗事件を追っていた佐伯宏一警部補は、事件現場へ向かったのだが・・・。 | |
北紀行 角川文庫 2012/9/25 | 旅行代理店を営む卓也は、ヤクザへの報復を目的に来日したターニャの逃亡に巻き込まれる。組長を殺された舎弟・藤倉は、二人に執拗な追い込みをかけ……。東京、新潟、そして北海道へ極限の逃避行が始まる!。 | |
回廊封鎖 集英社 2012/8/3 | 巨大ビルの中で、悲劇の幕があがる! 3つの殺人事件には共通点があった。被害者はみな大手消費者金融の元社員であること、処刑のような殺害方法・・・。久保田刑事は捜査する中で、意外な犯人像に迫る。事件の連鎖は止められるのか!? | |
地層捜査 文藝春秋 2012/02 | 公訴時効の廃止を受けて再捜査となった15年前の老女殺人事件。当時の捜査本部はバブル期の土地トラブルに目を向け、元刑事・加納もその線を辿ろうとするが、謹慎明けの刑事・水戸部は、かつて荒木町の芸妓だった老女の「過去」に目を向ける―。 | |
廃墟に乞う 文春文庫 2012/01 | 仙道孝司は北海道警・捜査一課の敏腕刑事だったが、任務がもとで罹ったPTSDのため、休職を命じられている。ようやく回復してきた頃、かつて札幌で起きた殺人事件と同じ手口で、千葉でデリヘル嬢が殺された。これは13年前のあいつの犯行か? その矢先に犯人から接触された仙道は、旧炭鉱町へ向かう(表題作)。リゾート村、札幌の倉庫、競走馬生産牧場…を舞台に、警察手帳も銃も持たない休職刑事が事件に新たな光と闇を見出す、連作警察小説。直木賞受賞作。 | |
警官の条件 新潮社 2011/09 | 『警官の血』の裏切りから9年。警部に昇任し、組織犯罪対策部第一課の係長に抜擢された、安城和也。彼は自らのチームを指揮し、覚醒剤の新たな流通ルートを解明しようとしていたが、過程で重大な失策を犯してしまう。重苦しいムードに包まれる警視庁に、あの男が帰ってきた。かつて、“悪徳警官”として石もて追われたはずの、加賀谷仁が! 警察小説の頂点に燦然と輝く『警官の血』――白熱と慟哭の、第二章。。 | |
密売人 角川春樹事務所 2011/08 | 道警シリーズ第5弾。10月も半ばを過ぎ肌寒くなってきた北海道で、ほぼ同時期に三つの死体が発見された。函館の病院にて為田俊平の転落死、釧路の漁港にて飯盛周の水死、小樽の湖畔にて赤松淳一の焼死。それぞれの事件は個々に捜査が行われ、津久井卓巡査は小樽の事件を追っていた。一方、札幌大通署生活安全課所属の小島百合巡査は、登校途中の女子児童が連れ去られた一件に、不穏な胸騒ぎを感じていた。三か所で起こった殺人と小島の話から、次に自分のエス(協力者)が殺人の狙いになると直感した佐伯宏一警部補は、一人裏捜査を始めるのだが....。 | |
勇士は還らず 文春文庫 2011/8/10 | 米国サンディエゴで日本人男性が殺害され、妻子と友人たちが現場に向かう。だが警察の取調べに妻はなぜか口をつぐむ。男性の遺留品には、1969年にサイゴンで起きた日本人爆死事件の切抜きが……。事件の背景には札幌の新設校に集った男女6人の過去が深く関わっていた。「政治の季節」の青春と今を繋ぐミステリー長編。解説は中辻理夫さん。 | |
巡査の休日 ハルキ文庫 2011/05 文庫本 | 道警シリーズ第4作。神奈川県で現金輸送車の強盗事件が発生し、犯人の一人に鎌田光也の名が挙がった。鎌田は一年前、ストーカー行為をしていた村瀬香里のアパートに不法侵入したところを小島百合巡査に発砲され、現行犯逮捕された。だが、入院中に脱走し指名手配されたまま一年が経ってしまったのだ。一方、よさこいソーラン祭りで賑わう札幌で、鎌田からと思われる一通の脅迫メールが香里の元へ届く。小島百合は再び香里の護衛につくことになるのだが.......。 | |
黒頭巾旋風録 徳間文庫 2011/3/4 | 舞台は幕末の蝦夷地松前藩。天保8年、臨済宗の僧侶・恵然は函館からアッケシにある臨済宗の国泰寺に向かう途中、アイヌの男が処刑される場に遭遇。当時、12,3歳になるとアイヌの少年は漁場にかりだされ、少女達は和人の慰みものにされていた。父親危篤のため故郷に逃げたアイヌの青年が、処刑されんとする寸前、全身黒ずくめの騎馬の男が処刑を阻止、青年を助けた。鞭を武器に刀や銃を持つ武士と闘う黒頭巾のヒーロー登場。胸のすく痛快活劇譚。 | |
ネプチューンの迷宮 ポプラ文庫 2011/2/4 | 赤道直下のポーレア共和国支配権をめぐって企てられた国際的陰謀。大統領派と反大統領派が激しく対立。その渦中に元海上保安庁特殊救難隊隊長の宇佐美が巻き込まれた。南国の小さな島を舞台に繰り広げられる国際謀略小説。 。 | |
婢伝五稜郭 朝日新聞出版 2011/1/7 | 明治2年(1869)、箱館戦争の最終局面、箱館病院分院では傷病兵にすら官軍によって凄惨な殺戮が行なわれていた。若き看護婦の朝倉志乃はこころを寄せる青年医師・井上青雲を惨殺され、「私の戦」を決意する。宿敵を衝撃的な方法で殺し、ついに追われる身となった志野は医学、射撃、馬術、西洋式料理を身に着け戦士になっていく。女であり敗者である志野がみた、官製の歴史観をぬりかえるすがすがしく豊かな箱館戦争後日談小説。。 | |
鉄騎兵、跳んだ 文春文庫 2010/5/7 | モトクロスに人生の全てを賭ける貞二は、思うような結果が出せず、また、若い天才の出現に焦りを覚える。やがて、愛する洋子のため引退を決意し、最後の戦いに挑むが…。オール讀物新人賞受賞の表題作をはじめ、逡巡する青春の終わりの日々を瑞々しく描いた、作家・佐々木譲の原点である初期短篇五篇を収録。親本は、映画化に合わせて80年に刊行された。映画は石田純一のデビュー作でもある。 | |
北帰行 角川書店 2010/1/29 | ロシア圏専門の旅行代理店を営む関口卓也は、美貌の女性タチアナ・クリヤカワ(ターニャ)をアテンドすることになる。だがターニャが日本に来た目的は、自分の妹を殺したヤクザへの報復だった。事件に巻き込まれた卓也はターニャと逃亡をはかるが、組長を殺された舎弟・藤倉奈津夫の執拗な追い込みをかけられるはめに。一方、事件の捜査を担当することになった警視庁組織犯罪対策部の寒河江は、やがて、全く見えない事件の本質と日本で暗躍するロシアン・マフィアの動向に注目していくのだが…。東京、新潟、そして稚内。1000km以上に及ぶ極限の逃亡劇の結末は―? 長編クライム・サスペンス。 | |
警官の血〈上〉 新潮文庫 2009/12 | 昭和二十三年、警察官として歩みはじめた安城清二は、やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。人情味溢れる駐在だった。だが五重の塔が火災に遭った夜、謎の死を遂げる。その長男・安城民雄も父の跡を追うように警察学校へ。だが卒業後、その血を見込まれ、過酷な任務を与えられる。大学生として新左翼運動に潜りこめ、というのだ。三代の警官の魂を描く大河ミステリ。 初出 新潮社 07/09 2008年度版「このミステリーがすごい!」第1位 |
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警官の血〈下〉 新潮文庫 2009/12 | 安城民雄は、駐在として谷中へと還ってきた。心の傷は未だ癒えてはいない。だが清二が愛した町で力を尽くした。ある日、立てこもり事件が発生し、民雄はたったひとりで現場に乗り込んだのだが――。そして、安城和也もまた、祖父、父と同じ道を選んだ。警視庁捜査四課の一員として組織暴力と対峙する彼は、密命を帯びていた。警官三代にわたる物語の完結篇。 初出 新潮社 07/09 2008年度版「このミステリーがすごい!」第1位 |
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夜を急ぐ者よ ポプラ文庫 2009/12 | 追われる男と待ち続ける女として。台風で荒れ狂う南国、那覇を舞台に、かつて愛し合った男と女が劇的な再会を果たす。しかし、男には執拗な追っ手が・・・・。’70年代、荒井由美、映画カサブランカ、カート・ヴォネガット、レイモンド・チャンドラー・・・・。甘い香りとダンディズムに満ち溢れた青春。警察小説の第一人者である著者の初期を代表する作品。 初出 集英社 86/08 |
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巡査の休日 角川春樹事務所 2009/10 単行本 | 道警シリーズ第4作。神奈川で現金輸送車の強盗事件が発生し、犯人の一人に鎌田光也の名が挙がった。鎌田は一年前、ストーカー行為をしていた村瀬香里のアパートに不法侵入したところを小島百合巡査に発砲され、現行犯逮捕された。だが、入院中に脱走し指名手配されたまま一年が経ってしまっていたのだ。一方、よさこいソーラン祭りで賑わう札幌で、鎌田からと思われる一通の脅迫メールが香里の元へ届く。小島百合は再び香里の護衛につくことになるのだが.....。(解説・西上心太)。 | |
愚か者の盟約 ハヤカワ文庫JA 2009/12 | 〈自民党が割れる! 野党連立か? 政権交代か?迫真のポリティカル・スリラー、待望の復刊!〉理想と策謀を両輪に政権の座に挑む、社会党の若手代議士寺久保と、その秘書野崎……現代の政界の混乱を「予見」した渾身の傑作といわれる、二世政治家とその秘書の野望の物語 初出 講談社 91/07 |
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廃墟に乞う 文藝春秋 2009/7 | 第142回直木賞受賞作 単行本 |
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ラストラン ポプラ文庫 2009/4 | バイクをテーマに青春の血気と情熱を描きこんだ5編の短編集 初出 86/08 集英社 |
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暴雪圏 新潮社 2009/02 | 帯広近郊の小さな町・志茂別を舞台にした警察小説 単行本 |
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北辰群盗録 徳間文庫 2009/02 | 五稜郭開城から五年、開拓が進みつつある北海道各地で、共和国騎兵隊を名乗る盗賊団が跋扈していた。明治政府に対して「戦争は続いている」と主張する頭目は兵頭俊作。討伐隊に元幕臣の矢島従太郎が送り込まれた。兵頭と矢島は五稜郭で闘った同志だった。原野に銃声が響く。時代の転換期に翻った共和国の旗は幻だったのか。箱館戦争後日談、ウエスタン的冒険小説 初出 96/11 集英社 |
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制服捜査 新潮文庫 2008/12 | 北海道の駐在警官を主人公にした連作集。札幌の刑事だった川久保篤は、道警不祥事を受けた大異動により、志茂別駐在所に単身赴任してきた。十勝平野に所在する農村。ここでは重大犯罪など起きない、はずだった。だが、町の荒廃を宿す幾つかの事案に関わり、それが偽りであることを実感する。やがて、川久保は、十三年前、夏祭の夜に起きた少女失踪事件に、足を踏み入れてゆく―。 初出 06/03 新潮社 |
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幻影シネマ館 マガジンハウス 2008/12 | 36本の幻の映画を、そのストーリーはもちろんスタッフ・キャストの魅力までをも論じた評論。 単行本 |
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警官の紋章 角川春樹事務所 2008/12 | 道警シリーズ第3弾。北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが…。 単行本 |
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駿女 中公文庫 2009/4 | 12世紀、戦乱の奥州を舞台にした時代小説。奥州平泉のさらに山奥深い糠部の地に育った馬の巧みな少女由衣は、従弟の八郎丸や兄弟達とささやかながらも、幸せに暮らしていた。しかし従弟だと思っていた八郎丸が実は義経の落胤であったことから、頼朝の奥州平定の戦に巻き込まれていくことになる…。 初出 05/11 中央公論社 |
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飛ぶ想い ポプラ文庫 2009/4 | コンテンポラリーな短編集。ニューヨーク、ロスアンゼルス、ラスベガスなどを舞台に男と女が織り成す、軽妙なロマンティック・サスペンス!裏切りの果てに、詐欺事件の容疑者として、女の元に帰ってきた男と女の関係を描いた「飛ぶ想い」を始め、LAに夢を見る/ソー・ホワット/疑うべきは/記憶のふるえなど、名作と呼ばれる「短編の形を借りた長編の醍醐味」が味わえる5篇を収録。 初出 95/11 中央公論 |
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ネプチューンの迷宮 扶桑社文庫 2008/9 | 赤道直下のポーレア共和国の支配権をめぐって企てられた国際的陰謀。大統領派と反大統領派が激しく対立。その渦中に元海上保安庁特殊救難隊隊長の宇佐美が巻き込まれた。南国の小さな島を舞台に繰り広げられる国際謀略小説。 初出 93/08 毎日新聞社 |
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わが夕張わがエトロフ ールポ・エッセイ集 北海道新聞社 2008/9 | 初のルポ・エッセイ集 単行本 |
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くろふね 角川文庫 2008/7 | 黒船来る! 嘉永六年(1853)六月、ペリー提督率いる四隻の艦隊が浦賀に来航、幕府に開国を迫った。尻ごみする浦賀奉行の代役としてペリーとの交渉にあたったのは、同奉行組与力・中島三郎助。日本人として初めて黒船に乗り込んだ三郎助は西洋の新しい技術に触れ、日本を外国に負けない近代国家に導こうとするが…。激動の幕末。古い体制を打ち破るために闘ったラスト・サムライ中島三郎助の生涯を描いた歴史大作。 初出 03/09 角川書店 |
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昭南島に蘭ありや〈上〉 中公文庫 2008/7 | 日本軍占領下のシンガポール、東条英機暗殺計画・上巻。昭和十六年、シンガポールに在住する日本人に引き上げ命令が下りた。台湾生まれの客家の青年・梁光前は、その日から己の存在を問い続けることになる。中華の民か、大日本帝国の臣民か。どちらでもあり、どちらにもなれない己とは何か?ふとしたことから中華義勇軍に入ることとなった光前は…...。 初出 95/08 中央公論 |
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昭南島に蘭ありや〈下〉 中公文庫 2008/7 | 日本軍占領下のシンガポール、東条英機暗殺計画・下巻。昭和十七年、日本軍はシンガポールを占領し、昭南島と改名した。過酷な軍政を敷く帝国軍に華僑は抵抗する。戦争という歴史の歯車が軋みを上げる中、己の存在に悩む光前はついに決断する。自分自身の手で自分が何者なのかを示すことを。そして東条英機暗殺計画が密やかに進行し始めた…...。 初出 95/08 中央公論 |
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サンクスギビング・ ママ 扶桑社文庫 2008/6 | 著者自身がアメリカ西海岸・中西部を実際にドライブ旅行しながら、創作した短編集。サンクスギビング、ハロウィン、クリスマス、ニューヨーク、サンタフェ、ロサンジェルス…旅先で出会ったシーンを紙ナプキンやホテルの便箋、コースターなどに書きとめて作り出された14のストーリー。 初出 92/01 スイッチパブリッシング |
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警察庁から来た男 ハルキ文庫 2008/5 | 『笑う警官』に続く道警シリーズ第二弾。北海道警察本部に警察庁から特別監察が入った。監察官は警察庁のキャリアである藤川警視正。藤川は、半年前、道警の裏金問題の為に百条委員会でうたった(証言した)津久井刑事に監察の協力を要請した。一方、札幌大通署の佐伯刑事は、ホテルでの部屋荒らしの捜査を進めていた。被害者は、すすき野の風俗営業店で死んだ男の父親だった。大通署に再捜査の依頼の為、そのホテルに泊まっていたのだという。佐伯は、部下の新宮と事故現場に向かうのだが...…。 初出 06/12 角川春樹事務所 |
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夜にその名を呼べば ハヤカワ文庫JA 2008/5 | ベルリンと小樽が舞台のサスペンス。1986年10月、ベルリン。欧亜交易現地駐在員の神崎は何者かに襲撃された。親会社の共産圏への不正輸出が発覚、証拠湮滅を図る上層部の指令で命を狙われたのだ。殺人の濡れ衣まで着せられた神崎は壁を越えて東側へと亡命、そのまま消息を絶つ―それから五年、事件の関係者に謎の手紙が届けられ、神崎を追う公安警察もその情報を掴む。全員が雨の小樽へと招き寄せられたとき、ついに凄絶な復讐劇の幕が切って落とされた。 初出 92/.03 早川書房 |
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警官の血 上巻 新潮社 2007/9 | 三代にわたる警官の物語 単行本 2008年度版「このミステリーがすごい!」第1位 |
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警官の血 下巻 新潮社 2007/9 | 三代にわたる警官の物語・下巻 単行本 2008年度版「このミステリーがすごい!」第1位 |
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笑う警官 ハルキ文庫 2007/5 | 北海道道警を舞台に描くシリーズの一作目、「うたう警官」の文庫化。札幌市内のアパートで、女性の変死体が発見された。遺体の女性は北海道警察本部生活安全部の水村朝美巡査と判明。容疑者となった交際相手は、同じ本部に所属する津久井巡査部長だった。やがて津久井に対する射殺命令がでてしまう。捜査から外された所轄署の佐伯警部補は、かつて、おとり捜査で組んだことのある津久井の潔白を証明するために有志たちとともに、極秘裡に捜査を始めたのだったが…。 初出 04/12 角川春樹事務所 |
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警察庁から来た男 角川春樹事務所 2006/12 | 『笑う警官』の続編。警察ものサスペンス 単行本 |
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天下城〈上〉 新潮文庫 2006/9 | 築城技術者の視点から読み直す戦国時代。我らの頼り、志賀城が落ちた。信濃での平穏な暮らしは武田軍に踏みにじられた―。その日こそが、戸波市郎太の原点となった。若者は軍師の弟子となり、戦国乱世に遍歴を続けた。だが師の逝去により、その道を絶たれてしまう。運命は、彼を名高き近江の石積み、穴太衆のもとへ導いたのだった。鍛えあげた戦略眼と最高峰の技術を受け継いだ男は、やがて、日本一の城造りとなる。 初出 04/03 新潮社 |
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天下城〈下〉 新潮文庫 2006/9 | 築城技術者の視点から読み直す戦国時代。戦国武将たちは、自城の守りを固めるため、城造り・戸波市郎太の力を求めた――。織田信長の再三の要請を受け、市郎太は覇王の言う「天下城」を造ることを約束する。その機会が訪れる前にも多聞山城や合戦前の長篠城を手がけ、技術を磨いた。乱世を平定した信長は、近江に城を築くことを決めた。伝説となった安土城の栄枯盛衰。そして数奇な運命を生きた鬼才の生涯も幕を閉じる。 初出 04/03 新潮社 |
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疾駆する夢〈上〉 小学館文庫 2006/6 | 戦後、焦土と化した日本にあって自動車作りの夢を追い続けた男がいた。その名は多門大作。バラック小屋の整備工場でのオート三輪生産から、ついには乗用車生産の夢を実現していった男達の熱情を描く上巻。 初出 02/11 小学館 |
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疾駆する夢〈下〉 小学館文庫 2006/6 | 戦後60年、希望を生きた日本人の原像。戦後のバラック工場から自動車作りの夢を抱き続け、ついに乗用車生産を達成。ルマン24時間レース挑戦を果たし、対米進出の野望を実現、ニッポンモータリゼーションを牽引していった男の挫折と再生を描く後編。 初出 02/11 小学館 |
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幕臣たちと技術立国— 江川英龍・中島三郎助 ・榎本武揚が追った夢 集英社新書 2006/05 | 明治維新こそが近代の「夜明け」であるという認識が、一般の日本人にとって、ごくあたりまえの通念である。本書は、激動の時代を駆け抜けた三人の幕臣たちの生涯を取り上げながら、そうした歴史通念に異を唱えた一冊である。反射炉やお台場築造に関わった先駆的な行政官・江川太郎左衛門英龍、ペリー艦隊と最初に接触した人物にして、日本初の西洋式帆船の建造者である中島三郎助永胤、そして、船舶技術や国際法の知識を総動員して、近代日本建設のいくつものプロジェクトのリーダーとなった榎本釜次郎武揚。日本の近代は、幕末期の技術系官僚たちによって準備され、すでに始まっていたのである―。 | |
帰らざる荒野 集英社文庫 2006/4 | 北海道開拓期、牧場主一家のサーガ。友近克也は父・善次郎が築いた馬牧場を出た。兄嫁となる女性に想いを残して…。行くあても帰る場所もない、ただ生きるための流浪の旅だった。町々にはびこる悪徒に、容赦なくとどめを刺す克也。暴力と策謀が渦巻く荒野の果てに、安住の地はあるのか?北海道開拓期。過酷な運命に立ち向かう家族、そして男女を描く連作短編集。 初出 03/04 集英社 |
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制服捜査 新潮社 2006/3 | 北海道の駐在警官を主人公にした連作集。警察官人生25年。不祥事をめぐる玉突き人事のあおりで、強行犯係の捜査員から一転、単身赴任の駐在勤務となった巡査部長の川久保。「犯罪発生率、管内最低」の健全な町で、川久保が目撃した荒廃の兆し、些細な出来事。嗅ぎつけた“過去の腐臭”とは…。捜査の第一線に加われない駐在警官の刑事魂が、よそ者を嫌う町の犯罪を暴いていく警察小説。 初出 06/03 新潮社 |
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ユニット 文春文庫 2005/12 | 少年犯罪をめぐるサスペンス。17歳の少年に妻を凌辱され殺された男、真鍋。警察官である夫の家庭内暴力に苦しみ、家を飛び出した女、祐子。やがて二人は同じ職場で働くことになる。ある日、少年の出所を知った真鍋は復讐を決意。一方、祐子にも夫の執拗な追跡の手が迫っていた。少年犯罪と復讐権、さらに家族のあり方を問う長編。 初出 03/10 文藝春秋 |
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冒険者カストロ 集英社文庫 2005/12 | 1959年、32歳の若さでキューバ革命を成功させ、アメリカの喉元に刃を突きつけたフィデル・カストロ。いまなお権力を保持する彼の指導力とカリスマ性はどこからきているのか。生い立ちから革命に目覚めた学生時代、シエラ・マエストラ山中のゲリラとしての生活と戦い、盟友チェ・ゲバラとの確執と決裂、さらに最近の動向までを追い、稀代の革命家の実像に迫る渾身のノンフィクション。 初出 02/09 集英社 |
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駿女 中央公論新社 2005/11 | 12世紀、戦乱の奥州を舞台にした時代小説。奥州糠部の地でのびのびと育った馬の巧みな十六歳の少女相馬由衣は、従弟の八郎丸が元服するのに付き添い、平泉に赴く。しかし平泉は衣川館で義経が誅殺されたという報に震撼していた。由衣らが人目を避けて飛び帰った村も、義経を襲った藤原泰衡勢に焼き討ちにあい、身内は無惨にも息絶えていた。この混乱の中で由衣は伯父から八郎丸が義経の落胤である事実を聞かされるが、頼朝の奥州征討軍に平泉は炎上、頼朝の軍勢に抵抗した由衣は運命の大渦に翻弄されていく。 単行本 |
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黒頭巾旋風録 集英社文庫 2005/12 | 蝦夷地の覆面ヒーローを描く時代小説。時は天保。蝦夷地では、情けを忘れた武士や利に溺れる商人が、民を苦しめていた。森に大河に血涙が流れる。彼らの非道、断じて許さぬ!青年は起ちあがった。闇色の装束を身にまとい、栗毛の駿馬を操り、悪党どもに鞭をふるう。瞳に宿すは、破邪の炎。北の果て、つむじ風の如く駆けめぐる、黒頭巾。彼が蒔いた正義という名の一粒の種は、荒野に実るのか? 初出 02/08 新潮社 |
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うたう警官 角川春樹事務所 2005/12 | 警察ものサスペンス、文庫は「笑う警官」と改題 初出 04/12 |
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エトロフ発緊急電 双葉文庫 2004/6 | 第二次大戦三部作の2、真珠湾攻撃をめぐる諜報戦。1941年12月、日本海軍がハワイ真珠湾を奇襲し、太平洋戦争の口火は切られた。今も語り継がれるその歴史的瞬間の背後には、熾烈な諜報戦があったのだ。アメリカ、東京、そして機動部隊が極秘裡に集結した択捉島を舞台に、スパイが暗躍する。真珠湾攻撃前夜を描く冒険小説。 初出 89/10 新潮社 |
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武揚伝〈4〉 中公文庫 2003/12 | 榎本武揚の生涯を描いた歴史大作・4。奥羽越列藩同盟は互解した。榎本艦隊はさらに北に針路を取る。箱館五稜郭に拠って蝦夷の大地に自治州を建てるのだ。入れ札で総裁となった武揚は、列強との外交樹立を模索。榎本政権は独立国に準ずる「交戦団体」の地位を手に入れる。しかし、着々と手を打つ武揚・蝦夷共和国を京都政権が看過するはずもなかった。決戦の時は刻一刻と迫っていた。 初出 01/07 中央公論社 |
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武揚伝〈3〉 中公文庫 2003/11 | 榎本武揚の生涯を描いた歴史大作・3。戦わずして旗を降ろすのか!江戸開城・徳川移封。薩長と幕閣が謀る無惨な幕引きを甘受できなかった。ならば、武揚は決断する。志を同じくする仲間とともに蝦夷を開墾し、共和の新国家を建設するのだ。留学の知識を生かせば、幕府海軍にはそれができる。ついに幕府艦隊は抜錨し、北に針路をとった。 初出 01/07 中央公論社 |
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武揚伝〈2〉 中公文庫 2003/10 | 榎本武揚の生涯を描いた歴史大作・2。ついにオランダ留学を果たし、西洋の科学と技術修得に励む武揚に教授が助言した―法学わけても国際法が貴方の武器になる。慧眼だった。幕末日本に必要なのは、法治の合理精神と国際感覚だったのだ。知識を貪る雌伏の五年を経て時は満ちた。幕府が建艦した新鋭艦に乗り組み、動乱の祖国を目指す。海軍旗艦開陽丸が砲門を開く瞬間が迫っていた。 初出 01/07 中央公論社 |
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武揚伝〈1〉 中公文庫 2003/09 | 榎本武揚の生涯を描いた歴史大作・1。天変地異、異国船の跳梁、世情を襲う攘夷の嵐。幕府天文方榎本家に生を受けた釜次郎(武揚)の目に映る日本は大革命の予兆におののき喘いでいた。幕吏子弟として学ぶ儒学に違和感を覚えた釜次郎は、間近で仰ぎ見た蒸気船=黒船に圧倒され決意する。創設された海軍伝習所で洋学を修めるのだ。新田賞受賞作。 初出 01/07 中央公論社 |
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帰らざる荒野 集英社 2003/04 | 北海道開拓期、牧場主一家のサーガ 単行本 |
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屈折率 講談社文庫 2003/01 | 大田区糀谷が舞台の企業恋愛小説。やり手の元商社マン・安積啓二郎は、経営状態の思わしくない実家のガラス工場の社長となった。工場売却を目論む彼だが、ガラス工芸作家・野見山透子との出会いからガラスの世界に魅せられていく。工場再建のために啓二郎が次々と打つ手とは?モノ作りに人生の再起を懸けることになる男の勇姿を描く長編小説。 初出 99/12 講談社 |
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疾駆する夢 小学館 2002/10 | 戦後日本自動車産業を興した男の一代記 単行本 |
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冒険者カストロ 集英社 集英社 | カストロの生涯を追ったノンフィクション 単行本 |
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ステージドアに踏み出せば 集英社文庫 2002/06 | ある劇団の新作舞台オーディション。そこには、それぞれの想いを抱える4人の女性が参加していた。女優デビューに野心を燃やす真紀、役者としてのステップアップを目指す薫子、心の病を抱えるあでや、演技の道を諦めるべきか迷う純子。彼女たちの熱く静かな闘いが、今、幕を開ける。かつて夢を見た全ての人、いま夢に挑戦しようとしている全ての人に贈る、ほろ苦くもみずみずしい青春小説。 (解説・若竹七海) 初出 98/05 集英社 |
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鷲と虎 角川文庫 2001/09 | 1937年7月、北京郊外で軍事衝突が発生。戦火はたちまち広がり、日中両国は全面的な戦争に突入した。帝国海軍航空隊の麻生哲郎は勇んで中国へと向かい、アメリカ人飛行士デニス・ワイルドは中国義勇航空隊の一員として出撃する。上海、南京、漢口、重慶。長江上空に展開する戦闘機乗りたちの熱き戦い。やがてふたりはお互いを、名前を持った敵として意識するようになった…。中国の大空を翔けた男たちの勇姿を見事に謳いあげた航空冒険小説。 初出 98/10 角川書店 |
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武揚伝〈上〉 中央公論新社 2001/7 | 榎本武揚の生涯を描いた歴史大作・上巻 単行本 |
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武揚伝〈下〉 中央公論新社 2001/7 | 榎本武揚の生涯を描いた歴史大作・下巻 単行本 |
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ワシントン封印工作 新潮文庫 2000/11 | 日米開戦直前、ワシントンの日本大使館 - 人手不足で臨時雇用されたコロンビア大医学留学生、大竹幹夫は、22歳の日系人女性タイピスト、ミミ・シンプソンに一目惚れする。だが、実は、ミミは米国務長官補佐官ホルブルックが大使館の動きを探るため、潜入させたスパイだった…。一触即発の和平交渉の裏で進む諜報活動と、愛の三角関係をスリリングに描く外交ミステリ長編。 初出 97/12 新潮社 |
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きょうも舗道にすれちがう 中公文庫 2000/9 | 短編集、バブルな時代の切なくほろ苦い男と女のストーリーを描く短編集。 初出 94/04 中央公論社 |
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総督と呼ばれた男〈上〉 集英社文庫 2000/08 | 戦前のシンガポールが舞台のハードボイルド。大正の頃、木戸辰也は日本人娼婦を母にシンガポールの日本人街で育った。伯父の孝作にひきとられて、マレーの鉄鉱山で働き始めるが、労働争議に巻きこまれて孝作が殺される。辰也はただちに報復して、矯正院に送りこまれる。出所後シンガポールに戻り、辰也は暗黒街で頭覚を現していく。しかし、南国をも戦争の翳が覆い始めた。 初出 97/06 集英社 |
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総督と呼ばれた男〈下〉 集英社文庫 2000/08 | 木戸辰也は、シンガポールの暗黒街で名を上げていった。ハリマオと組んでの列車強盗。日本人暴力組織との抗争。混血のシンディとの恋。一家を構え、「裏総督」と呼ばれて怖れられる存在になった。しかし、日中戦争から中国系組織との抗争が始まる。さらに、太平洋戦争勃発、日本軍のシンガポール占領、そして終戦。戦争に翻弄される流転の人生を綴る波瀾のハードボイルド冒険小説。 初出 97/06 集英社 |
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牙のある時間 ハルキ文庫 2000/7 | 北海道の小さな町に移住した絵描きの守谷順一と妻の久美。そこで隠遁生活をおくる、隣人で農場主の円城夫妻との出会いが、彼らを退廃と官能と狂気の渦のなかへ引きずり込んで行った。森から聞こえてくる死滅したはずの狼の叫び、そして少女の失踪事件。いつしか順一は、円城に狼の姿を重ねあわせるようになっていった…。狼をめぐる恐怖をテーマに二重視点で描く、ホラーサスペンス。 初出 98/08 マガジンハウス 単行本 |
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牙のある時間 マガジンハウス 1998/08 | 二重視点のホラーサスペンス | |
ストックホルムの密使〈上〉 新潮文庫 1997/11 | 第二次大戦三部作完結編、終戦工作をめぐる冒険。イタリアは降伏、ベルリンも陥落した第二次大戦末期、孤立無援の日本では、米軍による本土空襲が激化し、戦局は絶望への道を辿る一方だった。日本政府はソ連仲介の終戦工作を模索するが、スウェーデンに駐在する海軍武官・大和田市郎は、瀕死の日本にとどめを刺す連合国側の極秘情報を入手した。日本が滅亡する前に、その情報を軍上層部に伝えるべく、いま二人の密使が放たれた…。 初出 94/10 新潮社 |
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ストックホルムの密使〈下〉 新潮文庫 1997/11 | 日本の存亡にかかわる連合国側の極秘情報を携えて、日本国籍を失った賭博師森四郎と元ポーランド情報将校コワルスキは、スウェーデンからもう一つの中立国スイスへ向かった。連合国占領下のドイツを突破し、対日参戦の準備を進めるソ連を横断して、遥か2万キロを日本へと駆け抜ける。「祖国とはなにか」をドキュメンタリー・タッチで描く〈第二次大戦秘話三部作〉完結編。 初出 94/10 新潮社 |
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雪よ荒野よ 集英社文庫 1997/11 | 開拓期北海道に題材をとったウエスタン的短編集。明治20年代から30年代にかけての北海道は黎明期、ひと山当てようとする男、流れてきた女など、さまざまな人間たちが流れ込んでいた。もともとの住民たちであるアイヌの人たちもいた。そのなかで支配する者とされる者との構図が出来あがっていった。そしてついに虐げられた男たちが立ち上がり、復讐の銃弾がうなる。 初出 94/10 集英社 |
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新宿のありふれた夜 角川文庫 1997/10 | 歌舞伎町が舞台。難民少女が主人公のサスペンス。新宿で10年間任された酒場を畳む夜、郷田克彦は血染めのシャツを着た少女を店内に匿った。怯えながらメイリンと名のる少女は、監禁場所から脱けだす際、地回りの組長戸井田を撃ち、組織に追われていた。さらに克彦は日本に流れつくまでの難民生活、日本での過酷な労働を凌いできたメイリンの境遇に衝撃を受ける。欲望を孕んだ週末の新宿に蠢く暴力団の凶手。警察の執拗な捜査。この娘を救わなければならない。メイリンの姿が、この街に逃れてきた自分の姿と交叉した時、克彦は刻々と迫る二重包囲網の突破をはかる。 初出 84/11 大和書房「真夜中の遠い彼方」 |
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勇士は還らず 朝日文芸文庫 1997/10 | ハードボイルド的青春群像小説。米サンディエゴで農業視察団の日本人が射殺された。妻と娘、高校時代の親友3人がただちに現地に駆けつける。だが、被害者には視察以外の目的があったとする警察に、妻はなぜか協力を拒む。遺留品のノートには69年に南ベトナムで起こった日本人爆死事件の切り抜きがあった…。 初出 94/10 朝日新聞社 |
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あこがれは上海クルーズ 集英社ノベルズ 1997/09 | ジュブナイル、女優志願の少女の物語。いつも観察者の位置に身を置いてきた祐二は、ある芝居の公演で17歳の奈美と出会う。早く有名な女優になろうと焦る奈美と見守る祐二…。80年代を舞台に、まぶしく切ない輝きとともに成長していく二人の青春小説。 初出 84/04 集英社コバルト |
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そばにいつもエンジェル 集英社ノベルズ 1997/09 | ジュブナイル、孤独な少女と犬をめぐるホラー。小泉が訪れた季節はずれの北信濃のペンションには、少女とエンジェルという名の犬だけがいた。彼女の周囲で不思議な事故死が相次いでいることに不審を抱いた小泉は…。 初出 84/12 集英社コバルト |
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総督と呼ばれた男 集英社 1997/06 | 戦前のシンガポールが舞台のハードボイルド 単行本 |
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北辰群盗録 集英社 1996/11 | 初出 86/12 集英社単行本 |
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ハロウィンに消えた 角川文庫 1996/10 | 米国進出の日系企業をめぐるサスペンス。シカゴ郊外の町パクストン。日本企業クラタが買収したオルネイ社工場は、従業員や市民との間に様々な軋轢を生みだしていた。神話ともて囃された“日本的経営”も差別とした映らない。脅迫状。不審火。姿なき抗議がオルネイ社を襲う。そして、子供達が心待ちにしていたハロウィンの日。工場に爆弾が仕掛けられたという騒ぎの後、日本人の少年が消えた!誘拐か? 事故か? オルネイ社を調査にきた経営コンサルタント・田畑は、この町の深き亀裂を目のあたりにしていく―。 初出 91/09 日本経済新聞社 |
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五稜郭残党伝 集英社文庫 1994/02 | 箱館戦争後の敗残兵狩りをめぐる冒険小説 初出 91/04 集英社 |
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エトロフ発緊急電 新潮文庫 1994/01 | 第二次大戦三部作の2、真珠湾攻撃をめぐる諜報戦 初出 89/10 新潮社 |
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ベルリン飛行指令 新潮文庫 1993/01 | 第二次大戦三部作の1、ベルリンへ飛んだゼロ戦の物語 初出 88/10 新潮社 2004年 Vertical社より英語版発売 |
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南の風にモーニン 集英社文庫 1991/02 | バリ島を舞台にしたバイク青春小説。バリ島をオートバイで駆ける拓也、21歳。ちょっと不器用で、ひとりで生きることを習い性にしている青年。そして、気が強く、どこか陰をひきずっているイラストレーターの美樹、28歳。熱帯の異国情緒を背景にふたりの恋が静かに熱く燃えあがる…。 初出 87/03 CBSソニー出版 |
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犬どもの栄光 集英社文庫 1990/08 | 倶知安町郊外の古い廃工場の中、背中に強い衝撃を受けて関口啓子は倒れた。気がついたとき一人の男が…。その男は通称“丸秀”と呼ばれ、大工をしながらひっそりと生きている男だった。“丸秀”とはいったい何者なのか?関口の問いに何も語らない“丸秀”。しかし、彼は何かを恐れていた。北海道を舞台に描く逃走と追跡のハードボイルド・ストーリー。 初出 87/08 集英社 |
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マンハッタンの美徳 集英社文庫 1989/08 | 表題作の中編と五つの短編 初出 87/08 集英社 |
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仮借なき明日 集英社 1989/01 | フィリピンを舞台にしたハードボイルド 単行本 |
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タイム・アタック 集英社文庫 1990/08 | 青春もの短編集 | |
きみの素敵なサクセス 集英社文庫 1987/10 | 都会の男と女の物語、短編集 | |
振り返れば地平線 集英社文庫 1986/10 | 青春バイク小説、北海道を走る男女三人 初出 82/09 CBSソニー出版 |
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鉄騎兵、跳んだ 徳間文庫 1986/10 | オール読物新人賞受賞の表題作ほか、短編集 初出 80/08 文藝春秋 |
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いつか風が見ていた CBSソニー出版 1985/04 | 青春バイク小説 |